7/02/2013

教師の評価を誰がする?

 今、公立学校では各教諭は校長から通知表をもらっています。
通知表というと子どもと同じになってしまいますが、決められた項目ごとに評定がくだされています。

 学校の管理者ですから校長が教諭の評価・評定を下すのは当たり前なのですが、実は問題点があります。

子どもたちに置き換えてみるとわかりやすいのですが、先生方が子供たちの評価や評定をつける時にどのようにしているか?

  • 学力評価ならテストを実施、その他授業中の集中力や発言などをチェックします。単元や題材ごとに評価項目が決められていますのでそれに沿って評価をしています。
  • 生活の様子も基本的生活習慣(挨拶とか時間を守るとか)などの項目があるので、それに日頃の観察記録を照らしあわせて評価しています。

 では、校長は上記のように各教諭の授業の様子、企画力や行動力について細かく観察しているのでしょうか?

答えはNO

 職員会議や行事、その他事務的なことについては校長室や職員室でも把握することはできると思いますが、一番大事な授業については観察できていないはずです。生徒指導についても同様でしょう。事実、問題行動を度々起こしている児童生徒の名前すら覚えていない校長がいる始末ですから。
だから、現場の先生方に聞くと、「何でこういう評価が下されるのかよくわからない」と話しますし、先生方は全く気にも留めていないのです。

 当然校長が把握、情報収集にも限界があります。

 校長の限界をカバーすることができるのは一体誰かというと、児童生徒の皆さんしかいないのです。彼らは授業とか日頃の指導内容をすべて知り尽くしています。つまり校長が管理職として最も把握したい部分を知っているのが子供たち。

 ならば、
  • 子どもたちに担任の先生方の通知表をつけてもらいましょう!
  • ついでに「おらが学校のベストティーチャー賞」を作って生徒会またはPTAで表彰してあげましょう。

大規模校ならベストティーチャーを3人ぐらい選出してもいいでしょう。
担任の先生については、各学期ごとに子どもたちから通知表を手渡す。

 アンケートを記名にするか無記名にするか、どのような項目を設定するか、大変神経を使うところですが、子供たちの考えも取り入れながら作った方が面白いと思います。使い方によっては非常に有効な手段だと思うのですがいかがでしょう。
実際に先生の通知表を発行している学校もあるかもしれません(この方法は昔から知っていたネタですので)。

◯参考リンク
http://www.kyo-sin.net/reportcard.htm
http://www5.ocn.ne.jp/~kkazushi/tuutihyou.htm
http://www.tos-land.net/teaching_plan/contents/1513
http://mimizunotawagoto.blog.fc2.com/blog-entry-62.html


先生によっては「くらだらない、教師の通知表など意味が無い」と反論するかもしれませんが、そんな先生方には下記の言葉を言い放ちたい。
ではあなたの学校の先生方は皆子どもたちのために粉骨砕身努力していますか?」
「あなたは自己評価をどの程度厳しくしていますか?それだけで本当に十分ですか?」
「あなたの指導力を最もわかっているのは子供たち、その評価が最も大切ではないのですか?」
「あなたは子どもたちに授業をして給与を得ています。ならば授業を受ける子どもたちの評価を今後に生かすのは当然ではないですか?」
「口先ばかりで何もしない教師はあなたの学校には誰一人いないのですか?」
「すべての先生が創意工夫に満ちた質の高い授業をしていますか?」
「みんなが子どもたちのために本気で議論し、目標実現のために実践している学校なのですか?

 教師とは自分は自分、他人は他人となる傾向が非常に強い仕事なのです。でも実際指導の現場に立つと、そういう学校は荒れやすく、子どもたちも教師も質が向上しません。

アンケート調査を嫌がる教師が多いかもしれませんが、それを実施することで教師の意識が少しでも良い方向に変わってくれればまずは大成功と言えると思います。

具体的な苦情や悩みなどは、保護者が直接電話で校長や生徒指導担当に話をしてもらうべきでしょう。それだけ話しやすい学校の雰囲気である必要がありますが、それは校長がリーダーシップを発揮して保護者の信頼を得るしか方法はありません。

子どもたちの力を借りながら先生方の意識を変える第一歩に過ぎないのかもしれませんが、いかがでしょうか?校長だけの評価よりもずっと有益だと思うのです。

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