7/11/2013

同僚の自殺1

 昨日の投稿で「若い人の命を守るためにも採用の前に講師経験が必要」と書きましたが、そう書いた理由には昔若い同僚が自殺したことが頭をよぎったからなのです。

事細かく記載できませんが・・・

 その先生は新採用として私のいる中学校に赴任、学級担任と教科担任、部活動は副顧問でした。
大変知性的な先生でしたが、性格は穏やかで声を荒げることなどなかったし、当然感情的になることなどありませんでした。
右も左もわからず学級担任を任され、当初は子どもたちも「優しい先生」だと言っていたのですが、1学期後半ぐらいからでしょうか、クラスが乱れ始まったのです。
子どもたちの中で「うちの先生は何をしても怒らない」という意識が強くなりだし、好き勝手な行動を起こすものが出て、その数が少しずつ増えていったのです。

 その先生が何もしていないような印象を受けるかもしれませんが、間違いなく注意、指導をしていたのです。
しかし、子どもたちにとってその先生が注意、指導する時の言動が「本気で怒っていない」ように見えたこと、つまり自分たちの過去の経験や教師像の範疇にはなかった先生だったのだろうと思います。

 1学期中は何とかその状況のままで終えたのです。
学年の飲み会の際に皆で励ましたりしたのですが、その先生は皆の前で泣いていました。
「初めてだし、そうやって色々自分が考えながらやっていくしかないよ」と皆が口々に言っていたと思います。
 口だけじゃなく、実際にクラスに入って助けてあげればいいじゃないか?と思うかもしれませんが、基本的な姿勢として間接的な助けはしますが、直接的な助け(つまりクラスでの補助的な対応)はしないのです。それはその先生が自分で解決できるかどうか、今後本当にやっていけるかどうかの試練でもあるためですが、それ以外にも、他の先生が助けに入ると益々その先生に対する子供たちの評価が下がってしまうのです。

 そして夏休み明け
さらに子どもたちはエスカレートし、2学期には先生の話を全く聞かず、授業中の出歩き、パンを食べるなどの行為が多くなり、通常は制止役に入るはずの女子のリーダークラスも男子に追随。ますます状況が悪化。
ここまで状況が悪化すると、他の先生の授業でもひどいのか?と思われるかもしれませんが、基本的にその先生の時だけひどかったのです。他の授業では皆無。
当然授業担当の先生も子供たちの不満の声を聞いたり、どうすべきか一緒に考えたり、その教師と情報交換したりしていたわけです。

 私は学年の生徒指導担当で、他の先生と同様情報収集したり、先生を励ましたりしていましたが、ある日、クラスの酷さを訴えてきた子がいたのです。
その時点で「もう無理」と判断し介入。
 素行がひどかった出し数名を保健室に呼び出し、ビンタ1発ずつくれてから説教。その後男子と同様に素行がひどかったリーダークラスの女子数名が保健室に入ってきて「先生、私達も殴って下さい」。
男女差別やえこひいきが嫌いな私はその女子たちにも遠慮せずにやりました。
おそらくそのリーダークラスの女子たちにとっては生涯一度のビンタだった思います。

 その後、クラスは落ち着きを取り戻したかといえば、表面的にはそうなったと思います。しかし、担任に対する本質的な不満の部分が解消されていないため、子供たちの内面ではずっとくすぶっているわけです。ただ、同じような行為をしたらまたこっぴどく叱られるということが一時的な歯止めになっていたに過ぎません。

その状況が続いたまま1年を終了し、クラス替えをして2年生になったわけですが、その先生はクラス担任を外され、副担任として学年所属。
担任を外されたことで、その先生は相当気落ちしていました。

とりあえず今日はここまで!続きは明日書きます。


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