12/07/2013

学校が荒れるということ

 何かのウイルスにでも感染したかのように学校が荒れることがあります。

不思議ですよね?
学校の荒廃を促すような悪い菌でもあるかのように荒れが伝播していきます。

学校外の要素も当然大きいのですが、学校内の事について書きたいと思います。

  • どこの学校も荒れる可能性を秘めている
 大規模校のみが荒れるわけではなく、僻地の学校ですら荒れる可能性を持っています。たしかに規模によって荒れる要素が多い少ないは違ってくるのですが、ひとつ間違えれば学年1クラスの中学校でさえ荒れてしまいます。

  • 荒れる原因は?
 学校が荒れる場合、必ず鍵となる子どもたちの存在があります。
たった一人の生徒からすべてが始まってしまうこともあります。
このような書き方をすると生徒が悪いような印象を与えてしまいますが、彼らが悪いわけではありません。それについては後述します。

  • 鍵となる子供たちとは?
 中学生といえば13〜15歳ですが、それぞれがいろんなことを背負って生きてきています。家庭環境や経済的にに恵まれなかったり、あるいはそれらは満たされているように見えても心が満たされていなかったりと様々です。
鍵となる子供たちとは、心が満たされず不満の多い子供たち。

  • きっかけとなる事件がある
 不満を持っているからと言って必ず暴走してしまうとは限りません。
ほとんどの子供たちは自分を何とか抑えて行動していますが、教師の指導や態度そのものが彼らの暴発の引き金を引いてしまうのです。

  • どのように伝播していくか
 ある一人の教師に対して反発した生徒に追随する生徒が出てきます。
まずは同じクラスの生徒が追随し、他クラスへと伝播していきます。
その後、生徒たちは教師を見ながら授業によって態度を変えていき、「この教師は大して注意をしない、怒らない」と判断すると行動がエスカレートしていくのです。そして他学年へと波及し、他の学校への波及していくのです。

 この時鎮静化のために体罰を使うことが常であったと思いますが、体罰というのは鎮静剤になるかカンフル剤になるかの賭けとなります。教師の力が勝れば沈静化に向かいやすくなりますが、生徒の力が勝ればさらに暴徒化することになります。
  • 立て直し
 一つの事件があり、3ヶ月もあれば学校は崩れていきます。特に夏休み後は子供たちに歯止めが効かない状況下となり、2学期はそれが顕著に現れます。
一度荒れると、学校を立て直すためには荒れた学年が卒業して2〜3年は必要になるかもしれません。
その間、人事異動で生徒指導を強化する措置を講じたりします。
  • 指導における共通理解と実践の大切さ
 教師は同じポイントあるいはラインで皆同じように生徒を注意する。そのポイントやラインのことを共通理解と思ってください。
実践の手段については各教師の個性に任せて指導していいと思います。例えばキツめに叱る先生もいれば穏やかに説諭する先生もいる、そういう教師がそれぞれ持つ個性を発揮できればいいことです。
最も大切なのは同じポイント、同じラインを見極めて適時指導すること。
この共通理解を図らないことこそが学校の生徒指導を揺るがす最大の原因です。
  • わがままな教師が多い学校は崩れやすい
 生徒は別に何とも思っていませんが、教師は学級経営者でクラスの頂点。
その教師たちが自分のやりたいように指導したらクラスによって子供たちの不満が爆発することになります。「◯組はいいのになぜうちのクラスはダメなんですか?」
こんな些細な事から学級崩壊、学校崩壊の芽が育ってしまいます。
共通理解と実践を守ろうとしない教師はわがままなのです。
  • 学校が荒れないようにするためには
 「指導における共通理解と実践の大切さ」が大切なのは前述の通りです。
子供たちはやってダメなことはわかっています。だからダメなことをダメと当たり前に言ってくれる教師や大人を望んいでいるし、それが大人として当然だと思っているのです。「ダメなことをダメと言えない大人」、子どもたちはそういう大人を最も軽蔑します。

 そして落ち着いて生活できる環境を作ることが大切。
卒業後少年院に速攻でぶち込まれた生徒がおりましたが、その子は校内ではほとんど悪いことはしませんでした。(校外、特に休日はやらかしましたが)
「お前よく学校の中で悪さしたりしないよな」と訊いたら彼曰く
「この学校で何かやっても馬鹿らしいから」。

学校のいい雰囲気を作り、落ち着いて生活できること、これが荒れを防止する最良の手段です。
  • 学校が落ち着いている時こそ生徒指導の基盤を固める時
学校が荒れればどんな教師でも本気になって立て直しに取り組みます。
しかしそれは荒れた時ではなく、落ち着いている時にこそしっかり取り組むべきことです。
平和だとその平和に浸りきって甘くなったり手抜きになったり、見過ごしてはいけないことを見過ごしてしまいがちです。結果的にそれが蓄積されて荒れる原因を作ってしまうのです。
学校が平和なときにこそ基礎をしっかり固め、それを継続して行くことが肝要なのです。


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