7/22/2013

怠慢だった

小6女児の自殺未遂で会見
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2013/07/20093336011035.shtml

また自殺未遂が起こってしまいましたね。

 この学校の校長さんは「怠慢だった」「チェックが足りなかった」と話していますが、おそらく校長にはこの子の情報が全く伝わっていなかったのでしょう。

もし校長が事前に情報を入手していたら、最低でも「いじめとは認識していなかった」とか「学校で協議し、対策を講じていた」などと釈明していたでしょう。

つまり、学校の生徒指導が全く機能していなかったということです。
おそらく担任だけが「靴隠し」「仲間はずれ」の指導をして、情報はすべてそこで途切れていたということです。

 これは小学校の指導体制の怖さ、弱点でもあります。
学校によっても違いますが、小学校はごく一部の教科以外はすべて一人の教師が授業を受け持ちます。良好な学級経営ができればいいのですが、同じ人間が担当している故、盲点が改善されないままであることが多々あるのです。
結果的に担任の指導力任せということになるのですが、アンテナが敏感な教師の場合にはいじめに至る前の初期の時点で対策を講じることができますが、感度の鈍い教師の場合には何も感じず、からかいがいじめにエスカレートして初めて気づくことになるのです。感度がひどい場合には子供の死という最悪の結果になった時さえ「気づかなかった」ということになります。

 ではこのケースのような場合はどうすればよいか?

 まず、学校内における連絡系統および指導体制を充実させなければなりません。
学級における子供たちの動向や問題など、学年会や学校全体で話し合う必要がありますので、連絡報告内容の充実と情報の共有が大切です。
ただし、上記の通り担任一人がすると観察能力の問題と限界が生じてきますので、もうひとつの目が鍵となります。
子供たちのいじめを事前に食い止めるためには、その「もう一つの目」の役割を果たす教師が必要だと思います。しかもその教師は学習指導の補助要因を兼ねた観察指導の熟練者で、学校内すべてのクラスを担当。この仕事はスクールカウンセラーには絶対にできない仕事です。
 「このような体制は財政的に無理」とか「校務分掌的に無理」批判されるかもしれませんが、子供一人の命が救える可能性があるなら、現状を打破するためにも考えるべき措置ではないでしょうか?

 さらにもう一つ、教師の観察力をより感度が良くなるように高める必要があります。
おそらくこちらの方が実践する難易度は高いと思われます。つまり、ひとそれぞれの感受性、観察力などは生まれてから現在までの人生で無意識の内に身についたものであり、一朝一夕に培われるものではないからです。
 最終的には現場での実践において感覚を研ぎ澄ますようになるのですが、大学の履修科目にいじめ、不登校、自殺についての専門科目の理論と現場実習(教育実習とは異なる)を設けたり、採用直後に一定期間重点的な研修をしたりといくつか方法が考えられます。

 肝心なのは若いうちにこの感覚を身につける努力をさせること。

感覚の鈍い10年選手に今更研修しても間違いなく時間と経費の無駄になるのです。

 昔からいじめ、不登校、自殺があり、今だにそれらはなくなりません。0にすることは不可能なのかもしれませんが、現在の学校を本気で抜本的に改革しない限り犠牲となる子供たちが減ることはないでしょう。

自殺未遂の子が1日も早く意識を取り戻しますように!

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