1/31/2011

[教員の精神疾患による休職、10年で2.4倍]

fonteさん(以前は「不登校新聞」とい名称だったらしいです)というサイトに記事を見つけたので感想を・・・

 http://www.futoko.org/news/page0115-1147.html

たしかに精神的に追い詰められる現場であり、私の同僚であった新採用2年目の女性は自ら命を絶ってしまったという、切なく苦い思い出もある。

今は多様な価値観を持った(簡単に言えば非常識)な保護者も多く、対応に苦慮しているのも現実だろうし、その多様な価値観(非常識)を持った親達の影響を少なからず受けた子どもたちを相手にしている。

その他、地域差はかなりあるようだが、職場の人間関係なども大きな影響があるかもしれない。
学校の先生、知的労働者と思われがちだが実は肉体労働者。体力勝負、気力勝負になることがほとんどである。40代、50代になると体力的にも子どもたちの活動についていけなくなる上、職責は確かに重くなる。

精神的にも肉体的にもタフじゃないとやっていけない仕事であるのは確か。

しかし、その反面「ちょっと甘え過ぎではないのか?」と思えるほど精神疾患を理由に簡単に病休を繰り返す教諭もいる。
そんなにしんどいんだったらヤメればいいのに!と言いたくなるのは私だけではないだろう。
外科的な手術を要する疾病だったり、怪我の場合には治癒して元気に職場復帰を果たして欲しいし、本人たちもそう願っていると思う。でも精神疾患は自己申告とそれに伴う医師の診断書となり、自己申告の部分が極めて周囲にわかりにくい。
学級経営がうまくいかないとか、保護者との関係がうまくいかないとか、ほとんどがその種の理由になっているらしい。
もっと精神的に強くなれないものだろうか?受け持たれた子どもたちがかわいそうだ。

それともう一つ、休職中でも給与は保証される。全額とまでは行かないだろうが給与をもらうことができるはず。極めて穿った見方だけど、仕事を休んで給与をもらい、嫌なことから逃避することができる。
実際に病休届けを出し、生徒がいない夏休みだけ出勤して2学期からまた病休という教師もいるらしい。

もうこうなってくると、「あなたは何のために先生になったの?」と文句の一つも言いたくなる。

50過ぎて、退職間近になっても中学生に慕われている先生だって沢山いる。その先生方も順風満帆の教員生活ではなかったはず。
そうやって苦難を幾度も乗り越えて初めていい先生になれるのではないのか?

1/28/2011

学校における個人の扱い方

昨日期末テストの思い出を書きましたが、教育情報ポータルサイトeduon さんに下記の記事が掲載されていたので読んでみました。

期末テストで生活態度が悪い生徒名を書かせる出題 青森市立三内中学校の女性教諭


http://eduon.jp/news/problems/20110118-001484.html

テスト問題として個人名を書かせるのはやはり問題です。
ただ、ある種目などにおいて最も優れている友だちは誰?ということであれば、もしかしたら容認されていたかもしれないですが、それは考査問題としてではなく授業中の自己評価と友だち評価という形でやるべきでしょうね。ちょっと軽率だと思います。

クラスで実施するとすれば
「クラスの中で黙々と清掃活動をしている人は誰ですか?」
「チャイムが鳴っても着席しないことがある友だちはだれですか?」
という調査をしたことがありますが、それは「ゲスフーテスト」(@ウィキさんのサイト参照)と呼ばれ、学級活動や昔なら学級指導の時間に実施しました。

その結果は個人面談等で活用し、公表はしないことが原則です。子どもたち同士のマイナス面の評価が高い場合には、やはり担任の先生や各教科担当の先生から情報を収集したり、自分の目で確認する必要があります。

ただしこのテスト、捉え方によっては「チクリ」となるので扱いは要注意です。

その他、実際に近隣の方から苦情があったのは、校内放送で名指しで生徒を呼び出すべきではない、やはり不愉快な印象を受ける、ということでした。
「3年4組の〇〇、すぐに職員室に来い!」なんていう放送が校庭にも流れたら、やはり聞いている第三者の方は不愉快極まりないでしょう。

そういう苦情があって、校内放送で個人名は極力流さないように配慮した記憶があります。

ほんの少しの心配りが必要なだけなのですが、意外にも学校の先生はその点疎い面があります。

1/27/2011

音楽の期末テストにかける生徒たち

えらく大袈裟なタイトルですが、実は私が作る音楽の期末テスト、生徒たちが生涯で唯一満点を取るチャンスだったのです。だから本気そのものです。

なぜ満点をとることが可能なのか?

まず試験範囲のプリントを生徒に渡します。テスト問題は

  1. そのプリントから抜粋して出す。
  2. 問題の順番を変更して出す。
  3. 回答の選択肢の順番を入れ替えて出す。
  4. どう考えても答えが一つしか無い問題に変える。
  5. そのまんま出す。
それを知っている生徒たちはプリントを渡された瞬間
「先生、そのまんま?まんま?」と本気で聞いてきます。
そんな事言えるわけ無いじゃん!!
でもお互い手の内を知り尽くしているので、騙し合いまたは賭けとなるのは必至。

例えば4の場合の問題は
※ベートーヴェンの交響曲第5番の第1楽章はある形式で作られています。その形式とは何?次の中から選び、記号で答えない。

ア. ドナタ  イ. アナタ  ウ. ソナタ  エ. カナタ  オ. ヤマダ

もちろん答えはウのソナタ。でも試験中にもかかわらずクスクスと笑いが起きます。

たまに5番の「そのまんま出す」をやったことがあるのですが、生徒の読みがズバリ当たることがあり、生涯唯一の満点を取られてしまうことがあります。
花丸を見た瞬間の生徒の顔、あれこそ満面の笑みと言うべきものでしょう!たとえ次の時間に別な教科の答案用紙を渡されてどん底の気分を味わうとしても、至福の瞬間には間違いありません。


しかし、惜しくも1問外した生徒たちは最後まで食い下がります。

例を挙げると、答えは「ティンパニ」、でも生徒が書いたのは「チィンパニ
食い下がり例:シャープペンの調子が悪かったから
前の席の奴がぶつかって伸ばしが長くなってしまった
先生、もう俺は生涯で満点を取ることはできないんだよ
頭ではわかっていたのに手が勝手に動いた

など、笑える理由ばかりでした。

本来、知識理解の評価項目に入れるべきテストなので厳密には許されない問題作成方法なのですが、実技教科であり実技の評価を重視していたこともあって、自分自身が楽しませてもらいました。テストとしてはいい加減なのですが、生徒たちがあれだけ真剣に音楽の記号などを覚えようと努力し、結構覚えてくれたことが実際の演奏でも役立ちました。

年に3回の期末テストでしたが、私自身がとても楽しかった!

1/26/2011

お子さんや学校についての悩み

自分の経験を元に色々と書いていますが、空いている時間を活用してお子さんや学校について、保護者の方の悩みをお聞きしようかと思います。(もちろん教育ボランティアです)

方法はチャットとビデオチャットとメールがいいでしょうかね。

対象は、お子さんや学校のことで悩んでいらっしゃる小中学生のお父さん、お母さん。

目的は、色々お話頂くことで少しでも精神的な負担を軽減できればということが主になると思います。また私の経験から少しでも参考になることがあれば・・・、その2つになると思います。

私でよければあまり堅苦しくならず気楽にご相談ください。

メール improvement.fukushimaアットマークgmail.com
※Gmailによるチャットも同上です。

スカイプなら imp_igari で登録してください。
まずはメールでご連絡を!

話をすることで少しでも楽になるのであれば、ちょっとだけお手伝いします。
役に立てる自信はあまりありませんけど・・・・・・。

モンスターペアレント関する書籍

モンスターペアレントならないために、ということで少々まとめ的なことを書きましたが、その他Amazonで売れている書籍は下記の通りです。

モンスターペアレントに関する書籍

「非常識な親たち」と「非常識な教師たち」をテーマに書かれていますが、確かにその点は読んでいても面白いと思いますが、大切なのはその先!

いざ自分の子供たちを守らなければならない時にどのように対処していけばいいのか?が最も大切な事だと思います。

経験から言えることですが、教師と児童・生徒との人間関係が良好であればそんなにもめる事はない筈なのです。それが基本だと思うのですが・・・。

1/24/2011

モンスターペアレントにならないために−2

いよいよ先生の誤解や勘違いを正すために学校にクレームを申し入れますが、その前に・・・

まず先生という職業、学級や部活動の頂点に立って指導しているし、それなりに自信とプライドを持っています。それにそこそこ勉強ができて、どちらかと言えば優等生であった人達です。ましてミスを認めたがらず、理屈っぽいし、あまり他人に頭を下げたことがない筈です。その点を踏まえてクレームを申し入れないと親と教師の全面戦争勃発となり、せっかく我慢に我慢を重ねてお子さんにした指導が水泡に帰すばかりか、お子さんの存在自体も見失われてしまいます。結局誰の為を思ってクレームを申し入れたのかわからなくなります。

【直接当該の先生に話す】
児童生徒、保護者から信頼が厚く、保護者からの苦情にも真摯に対応してくれる先生であれば直接話すべきでしょう。自分の誤解や調査不足に起因する勘違いであることがわかれば、お子さんに謝罪してくれると思います。最も理想的な方法ですが、「それだけ子どもたちに信頼されていれば誤解や勘違いは起こさないだろう?」と言われればその通りです。

【最も信頼できる先生に話す】
以前の担任の先生とか、親子で信頼している先生に話してみる方法ですが、同じ学年にたまたま所属している先生なら、学年主任→(生徒指導主事)→教頭→校長と話が上がっていくかもしれませんが、他学年の場合には厳しいかもしれません。他の学年の問題には口を出しにくいと思います。

【教頭、校長に相談する】
職務上の上司に相談するようになるわけですから、当該の先生に直接離しても無駄な場合に相談します。管理能力、指導能力に長けた管理職であればトラブルのもととなった先生に事実関係を再調査させ説諭した上で、保護者と児童生徒に謝罪させると思います。

まず学校に電話を入れて、その際に上記の先生方に相談するようになりますが、保護者としてやってはいけないことは下記の通りです。

<絶対に感情的になって電話をしたり面談を行ってはいけない>
先生のミスが原因で怒り心頭に達していたとしても、感情的になってはいけません。常に冷静に話しましょう。すべては子どものためなのでとにかく我慢です。
感情的になった時点で宣戦布告となります。

<無理、理不尽な要求をしない>
「担任を年度途中で変えろ」とか「他のクラスに自分の子を入れろ」とか「全校集会で事実を報告させて謝罪させろ」とか・・・・・。
こんな無理な要求を出すことにより、知らなくてもいい子どもたちや保護者がその事実を知ってしまったり、その事でお子さんがなじられたりして可哀想です。「お前の親、馬鹿じゃね〜の?」と同級生に責められて不登校に陥ったり、転校という措置を取らざるを得なくなったりするかもしれません。余計なことをしたがために子どもに大きな負担を背負わせることになります。
大切なのは誤解や勘違いを認めてもらい、事実を把握してもらうこと。そして今後同様の誤解や勘違いを起こさないような努力をしてもらうことです。

<慰謝料など、お金の話をしてはいけない>
基本的に学校はお金の話には応じません。民間企業なら企業イメージを損なわないためにお金で解決することもあるかもしれませんが、教育現場にお金の話を持ち込むのはご法度です。金銭的な話が出るのはあくまで訴訟に至った場合のみで、法的な判断が下された場合のみです。

対処方法を間違えなければ、あれだけ怒り心頭に達していたのが嘘のように学校側が適切な対応をしてくれたりすることもあると思いますし、逆に感情的になって怒鳴りこんだために事態が益々悪化したりもします。すべての発端は心の持ち方次第なのです。

それでも自分のミスを認めることができない教師がいるではないか?適切な指導をできない教師がいるではないか?親として我慢しかできないのか?と思うかもしれません。確かにいます。しかし、まともな感覚の持ち主であれば、クレームを言われたことで必ず考えます。ただ、それがすぐに結果としてあらわれる先生なのか、時間がかかる先生なのかの差ではないかと思います。最初の時点で互いに感情的になって宣戦布告状態にならない限り、必ず状況は改善されていきます。

最悪の場合ですが、人権侵害、暴力行為等があり、それが改善されないのであれば法務局の人権擁護委員会に相談することもできますし、警察に被害届を提出し、訴訟を起こすこともできます。しかしそれはクレームを申し入れたにもかかわらず、全く改善されることがない場合の最終的な措置となります。

子ども達はと言えば、先生が楽しみで学校に行っている子は少ないのではないでしょうか?
一番の学校の楽しみは「友だち」が最も多いはずなのです。先生に不満があったとしても、その不満を友だちが解消してくれたり、何かあれば強力な助っ人になってくれると思います。

私たちが学校に対して、意を決してクレームを申し入れる理由は一体なんでしょうか?
それは子どもたちのためです。
学校と家庭の共有部分は子どもたちへの教育と健やかな成長であり、子どものことを本当に考えていれば醜い大人の争いなどしている場合ではないのです。大人たちが醜い争いを続けるのは大切な子どもの存在を忘れているからであり、主客転倒と言わざるを得ません。

モンスターペアレントにならないために一1

もしも、自分の子どもが先生から指導されるような事をしていないにもかかわらず、誤解や勘違いで指導された場合、どのような対処をすればいいでしょうか?

【まず、感情的にならずにお子さんから事実を聞き出しましょう】
一見簡単そうですが、自分に都合の悪いことは話しがらないし、友だちとの約束等があればそちらを優先してしまうので、場合によっては結構手こずるかもしれません。

【お子さんが言った事を事実かどうか確認する必要があります
お子さんに対して「あんた、嘘ついてんじゃないの?」とか言わないようにしましょうね。お子さんが仲の良い子のお母さんから情報収集するのがいいかもしれません。
ただし、事態が緊急の場合にはお子さんがいる前で情報収集のために電話をしてもいいと思います。お子さんには「大事なことだし、見ていた友だちもいたはずだからその子のお母さんにも聞いてみていい?」と承諾を得ることが大切です。

もしも、お子さんが嘘をついているとしたらこの時点で判断できますので、表情の変化(特に目の動き、手の動きなど)を見落とさないようにしましょう。

ここまでで、もしもお子さんの嘘がわかった場合、なぜ嘘をつかなければならない状況にあったのか、嘘をつくことでどのような事態に発展するのか、色々話してあげましょう。子どもが本心を言えるような家庭環境であるのか、自問する必要もあると思います。

さて、お子さんからの聞き取りと第三者からの聞き取りが終わり、これは先生の誤解や勘違いであるとわかった場合どうするか?

【お子さんに誤解を生むような言動がなかったか等まず自分自身を振り返らせましょう】
もしかしたら、お子さんが常に行動を共にしている友だちに問題行動が多いとかということも考えられます。その他、女子生徒の場合は「生理的に先生が苦手、嫌い」ということも多く、常日頃の学校における態度も考えさせてる点があるかもしれません。

【子どもの前で先生をけなしたりしない】
100%先生の誤解や勘違いによる指導ミスであったとしても、お子さんの前で教師をあからさまにバカにしたり、けなしたりしてはいけません。逆に先生をフォローしてあげるような寛大な言動が大切です(本音ではハラワタが煮えくり返っていても、パフォーマンスとして子どもの前ではそうすべきです)。それにお子さんも同様のことを学校において先生や友だちに対して行うようになってしまいます。

ここまで来れば、家庭における指導は完了です、たぶん。

後は先生に対して誤解や勘違いを解いてもらうように話をするわけですが、お子さんに対しては「先生に土下座させてやる」とか「クラス全員の前で謝らせてやる」、「あの野郎、僻地にとばしてやる」とか過激なことは一切言わず、「先生にはママから話してもう一度よく調べてもらうから」とか「先生もすべてが分かっているわけではないだろうし、今後に生かしてもらうのに話しておくから」とにこやかな顔で寛大な発言をしましょう!

次回、学校に対してクレームを申し入れます。

1/23/2011

モンスターペアレントについてのサイト

予想外に反響が大きく、現在裁判にもなっているモンスターペアレントの参考サイト等を調べてみました。

モンスターペアレントかな?
管理人はShuさん。いい言葉ねっとも運営されています。
信じられない事例と実態 モンスターペアレント
まだ新設のサイトさん。これから内容が充実してくると思います。
モンスターペアレント実態赤裸々 無理難題と理不尽全18例掲載
こちらはJcastニュースさんの記事です。他にも関連記事多数ありです。
永久寺の英玄和尚の言葉♪
ブログ記事です。最初の一行がすべてだと思います。

他にも多数の掲載がありますので、各自検索ください。
開いた口が塞がらないというか、ブログに記事を書くのも嫌になるほどの情報があります。これじゃ、子どもの教育云々語る前に、親の常識を問うべきだよね(_ _;;

1/22/2011

中学校説明会で気になったこと

本日、4月から娘が入学する予定の中学校説明会があったので、気になったことについて書いてみたい。
  1. まず、壇上で講師が説明しているにもかかわらず、保護者の私語が多い。
  2. 中学校の生徒指導についての基本的な考え方が旧態依然としている。
1について、これは今に始まったことではなく、娘が保育所の頃からずっとある悪い癖。保護者自体が他人の話を聞く態度になっていない。つまり親がそうだということはその子も人の話は聞く態度が育っていないということ。

2について
具体的には、女子のスカートの丈の話が出たが、スカートの丈を短くしてはならない理由が「高校入試では認められていないから」ということであった。
では、高校を受験しない子はそのルールなんかクソくらえということになるし、そのルールを守る必要性なんて全くなくなってしまう。
その他、髪を縛るゴムの色やらソックスの種類やら、生徒指導担当が色々話していた。

髪を縛るゴムの色は黒、今、茶、白であり、高校入試の際は白はダメとのこと。
くるぶしが出るソックスは安全性の問題から禁止だそう。

なぜ、未だにこの程度の生徒指導方針しか持てないのか、それが不思議。これは今日行った中学校ばかりではなく、いわき市の中学校全体に言えること。

ルールを細かく決めるということは、子ども達自身が考えることを阻害してしまうし、何時まで経っても判断力が育まれない。自分で判断できない上、次にやることは1つ1つの品目について確認作業を行うようになる。髪のゴムの色は緑は?紫は?深緑は?スカートのの長さは何センチまで上げても大丈夫ですか?・・・。

また、子どもたちの判断力を育まない指導は、教師たちの首を締めることに繋がるのである。

中学生として本当に学ばなければならないルールとは一体なんだろう?

それは今後人として必要になってくる社会規範であったり、生きて行く上で必要不可欠なルールだったり、道徳的価値観ではないのか?

百歩譲ってスカートの丈の長さを指導してもかまわない。でも「高校入試では認められていないから」という理由ではなく、今後の生き方に関わるような上質な理由があって然るべきだと思う。

1/21/2011

モンスターペアレントについて

 テレビでドラマにもなるような「モンスターペアレント」
でも彼らは本当にモンスターなのでしょうか?

「モンスターペアレント」という認識は、あくまで学校側から見たものであり、保護者に対する非常に反感を持った感情的な言葉です。

学校は本当に適切な指導をし、生徒あるいは保護者との信頼関係を築いて入るのでしょうか?

私の経験から言えば、「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者のほとんどは、学校あるいは教師に対して強い不信感を持っている人達です。
不信感を持つには当然理由があります。
子供たちに対して行った指導に何らかの不満を持っており、それが蓄積されています。
実際にクレームを言って来る保護者の方と話してみると、教師の至らぬ指導が原因であることが多いのです。
学校側は、苦情を言って来る保護者を「モンスターペアレント」と決め付ける前に、自分達が本当に適切な指導をし、ラポートを築いているか確認すべきです。

また、保護者は子どもたちが言っていることを鵜呑みにしないことが大切で、客観的な事実をもっと調べるべきなのです。
人間は自分に都合の悪いことは話したがりません。それを十二分に踏まえ、客観的な事実を調べた上でスジの通ったクレームを言うべきです。
子どもの言うことを鵜呑みにして、すぐに文句を言えばいいと考えている馬鹿な親が多いのも現状です。気持ちは分からないでもないが、結果的に親自身が恥をかくことになります。

本当のモンスターペアレントというのは、「金銭を要求」したり ( これはほとんどありません) 、「相手を攻撃することに快感を得る」類の人間です。学校に対する不平不満の塊のような方もいます。

友人のお子さんの不登校がやや進歩!!

友人のお子さんが不登校だったのですが、今日お母さんに、
「月曜日から行くから」と話したそうです。

月曜日は月曜日の気分になるのでどうなるかは全く予想がつきませんが、自分から「行く」と伝えたことに大きな意義があります。

友人は「ちょっと放っておいてみる」と話していましたが、登校刺激を与えなかったことが結果的に良かったのかもしれないですね。

月曜日に登校できなくてもいいと思います。

本人がそういう言葉を発したことに大きな進歩があります(^_^)v

1/19/2011

不登校も早期発見、早期指導が肝

 不登校に限らないことなのですが、やはり兆候の早期発見と早期対処が肝心だと思います。

時間が経過してからでは子供たちが心をさらに固く閉ざし、登校刺激を与えることで精神的に追い詰める結果を招きます。

私が受け持った別の女子生徒は、私が朝迎えに行くと父親に対してハサミを振りかざしていました。大変大人しく、穏やかな生徒だったのですが、登校刺激が彼女を追い詰めたと言えます。

100人の不登校の生徒がいたら、100通りの方法を考えなければなりません。
「何を甘えているんだ!」とか、大人としては言いたくなってしまいますが、そこはグッとこらえて心が少しでも開くように気持ちを聞いてあげるのが大切だと思います。
早く兆候を見つけて、心のなかにあるものを吐き出せること、そして平素から相談しやすい環境をつくって、何でも相談できるような家庭環境、学校環境をつくらなければならないと思います。

不登校ー番外編

 色々なケースを書いてきましたが、それらに当てはまらないケースもあります。

たとえば、ある分野においてその子の能力や知識が飛び抜けている場合や精神的に大人になりすぎている場合です。

それだけの能力や知識があると、当然同級生と話が合わず、同級生が子供っぽく見えてくるようになります。本人の協調性が強ければ、話が合う分野について無理にでも話を合わせていくのでしょうが、それができないとなると当然クラスの中で孤立してしまうわけです。

通常は孤立することがいじめに繋がったりすることが少なからずあるのですが、能力知識面で飛び抜けているため、「孤高の人」となってしまいます。
クラスの中に話の合う友だちが一人でもいれば違ってくるのでしょうが、なかなかそれも困難。友だちがダメなら担任の先生が話を合わせてくれればいいのですが、ヘタをすると大人顔負けの知識を持っているので専門の先生以外は話にならないでしょう。

となれば、学校に行っても楽しいことは何一つないはず。それに担任の先生への不満が重なれば「もう行かなくてもいい」となってしまいます。

こういうタイプの子を担任したことはないのですが、やはり無理に追い詰めるのは禁物だと思います。
基本的には「放置して自己判断に委ねる」のがベターな方法なのかもしれません。
頭のいい子だけに、放置されることで「これはマズイかもしれないぞ」自分で考えるようになり、「そろそろ行ってみるか」となればいいのではないかと思われます。ただ、登校しないにせよ、休むことへの何らかのペナルティーは必要だと考えます。

クラスがかわったり、担任の先生がかわったり、進級や進学することで不登校が嘘のように解消されるケースかもしれません。

不登校のきっかけ(鬱病)

初めて体験した不登校の生徒の原因がこれでした。

小学校時代は、明朗活発で男女を問わず好かれ、スポーツ少年だったのですが、中学校に入学して2ヶ月目位から弁当を残すようになったそうです(その中学校は毎日弁当持参でした)
その他、学校生活では変わった様子は見られず、部活動も友人関係も良好としか思えませんでしが、徐々に朝の登校前に変化が現れていたようです。

いつもなら友だちが迎えに行くと、一緒に眠い目をこすりながら登校するはずなのですが、友だちが迎えに行っても「後から行くから、先に行ってて」ということが多くなり、そのうち登校しなくなってしまいました。
ご両親もなだめたりすかしたり、厳しく言ったりしたのですが一向に効き目がなく、登校前に腹痛を訴えたり、最も症状がひどい時は階段から故意に転げ落ちようとしたそうです(怪我をすれば登校しなくて済むので自分から階段を転げ落ちたらしいのです)

登校してしまえば午後からは絶好調で楽しそうに過ごすのですが、夜はあまり寝ようとしなくなったそうです。
理由は「寝ると朝が来て登校しなければならないから」。
あまりにも朝の状況がひどいので、保護者の方も強い言い方はできないようになり、欠席が続くようになりました。

ある時母親が登校したくない理由を尋ねてみると
「何となく中学校が暗く、冷たい感じがする」という漠然とした理由を話したそうです。学校生活に具体的な理由があったわけではなく、ただ単に小学校と雰囲気が違うので行きたくないというこことだったらしいのです。

全く症状が改善されないため、心療内科の先生に相談し、「鬱病」という診察結果でした。
医師の話では
「本人が登校しようとするまで、登校刺激は与えないほうがいい」らしいのです。
学校としても当然医師の判断を尊重して、登校刺激は一切与えず、いつも一緒に登校していた友だちに配布物を届けてもらう程度の措置をとったように記憶しています。

入学した1学期半ばから結局進級するまでその状態が続き、母親は最後は祈祷師にお願いするなど、精神的にもかなり追い詰められてしまったそうです。

2年に進級するといつの間にか登校し、後は卒業するまでほぼ無欠席で頑張ってくれました。

自分の周囲には鬱病を患っている方もいなかったし、不登校自体考えにくことだったため、私自身がもっとも考えさせられ、苦しんだ最初のお子さんでした。

鬱病は具体的な拒絶理由が本人ですらわからないため、周囲の人間にとっては理解に苦しむ面があるのですが、無理に刺激を与えることで本人を追い詰めることになり、最悪のケースに至る重い病であると思います。
どの時点でどのような判断を下すべきか、最も難しいケースではないでしょうか?

不登校のきっかけ(いじめ、怠学)

★いじめによる不登校、このケースは身を守るための最終的な手段になるのだろうと思います。

中学校におけるいじめの場合、すでにそれが小学校時から発生していて、中学生になっても継続して、イジメる側に新しくできた友だちにも伝播していくことがあります。また、小学校ではいじめられた経験が全くないとしても、複数の小学校から入学してくる中学校は新たな発生場所となり得ます。新たに発生する場合は、やはり友達関係からのことがほとんどのようです。
いじめへの指導の難しさは、いじめている側に罪悪感がないということ、そしていじめている生徒の保護者に協力をお願いしても逆に憤慨されることがほとんどで、協力を得ることが困難なことではないでしょうか? 
時にいじめは立場が逆転してしまうことがあり、仕返しとしてさらにひどいいじめを生む場合もあります。

最終的な自衛手段としての不登校はある意味最善策となるかもしれませんが、それ以前の初期段階で学校と保護者が発見して早期指導に努めたいものです。

★怠学(簡単にいうと学校をサボることですが、怠学に至る要因は様々です)

前回述べた家庭への不満からの場合もあるし、夜更かししてゲームに没頭して生活パターンが逆転してサボることもあります。さらに厄介なのは、友だちと深夜徘徊を繰り返し、非行に走ることです。女子生徒の場合には性非行に発展してしまことが懸念されます。

ただ単にゲームが楽しくてというのであれば意外に解決することもありそうですが、深夜徘徊や性非行の場合は家庭内の問題が大きく影響しており、その結果としての行動になることがほとんどです。
生活パターンが昼夜逆転してしまった子と性非行に走ってしまった子、両方共経験したことがありますが、前者はさほど苦労することもなく解決したと思います。

最終的に卒業式まで欠席したのは、家出を繰り返した女子生徒でした。きっかけはやはり家庭内のことでしたが、「グレてやる」と言って本当に突っ走った子でした。
でも、根はとてもいい子。人懐っこくて笑顔が可愛い子でした。
卒業式前にその家出少女と交友がありそうな女子生徒の前で
「もう卒業式だから、せめて卒業式だけでも学校にこないかなぁ。ちょっと心配だから電話ぐらい欲しいなぁ」
と話したら、その日の晩、当該家出少女から私の自宅に電話がありました(予想通りでしたが・・・)
家出少女「先生、あたし卒業式は出ないから・・。ごめんね。元気でやってるから心配しないで」

予告通り卒業式に彼女は出席することはありませんでしたが、何とも憎めない娘でした。
その後3年ぐらいして、夜の街でいきなりお店のお嬢さんに声をかけられました。
「先生、うちの店来て!」
今でいうキャバクラのような雰囲気のお店で働いていたようです。

もう30才にはなっているでしょうか?たぶんですが、口やかましい、いいお母さんになっているような気がします。

1/18/2011

不登校のきっかけ(親への反発)

 このタイプは男子生徒で一度経験したことがあります。中2までは問題なかったのですが、中3になってから急に欠席がちになり、そのまま卒業式まで欠席したように記憶しています。

休みがちになった時に、「学校を欠席している理由は何?」と本人に尋ねたことがありましたが、特に学校生活に不満があるわけでもなく、唯一父親に対する不満を漏らしていました。

経済的にも恵まれている家庭に育ち、両親、妹もいて一見不登校をするだけの理由がないように思えますが、自分に対する父親の態度に強い不満を持っていたようでした。要約すると父親は妹ばかりを可愛がって、自分のことをかまってくれない、ということになると思います。
自分の話を聞いてくれないとか、自分の意見だけを押し付けるとか、言い方が気に入らないなど細かいことは色々話すのですが、結局妹と同じように自分も可愛がってほしいという欲求が強かったと思います。

そんな父親を困らせるために不登校という手段を選択したようです。

中学生は随分大人のような気がしますし、彼らもそういう扱いをして欲しいと願っています。しかしその反面、ほんの何年か前のように自分を可愛がってほしい、目をかけて欲しいと願う幼さが同居している時代なのでしょう。

その後の彼がどうなったか、全く情報が入ってこないのですが、中学を卒業したら一人暮らしをすると豪語していました。ただし、働く気概など毛頭なく、あくまで親の気を引くために一人暮らしの費用を全部出してもらうと言っていました。

わがまま放題で、ため息がでます。

1/14/2011

不登校のきっかけ(教師への不信感)

 女子生徒の場合、担任の先生が生理的に嫌い、許せないという子もいます。
例えば清潔感がない(服装がだらしない、髪の毛がフケだらけ、鼻毛がいつも出ている、口臭がきついなど)場合は嫌悪感を持つ生徒もいます。
<その気持ち分からないでもない、と同僚であっても思うことがある>
しかし、嫌悪感だけで不登校になることはまずありません。

教師から何らかの指導があり、それに対して不信感を持ったり、直接先生に訴えたのに先生は何もしてくれなかったとか、そういう事がきっかけとなります。

もっとも多いパターンは、前回説明した友人関係のトラブルで教師が指導し、その指導に不満を持つことがきっかけとなることが多いように思います。指導されたことに不満を持っている以上、友人関係も改善されるはずはありません。

友人関係が改善されないので教室に居場所がない→先生がちゃんとやってくれないからだ→居場所がないので学校に行っても仕方ない→不登校の始まり

というような構図になるでしょうか。

生徒に指導する際には、事実関係をきちんと調べ裏付けを取る必要があります。その裏付けがないと生徒を納得させることができず、不信感を生み出すことになります。

理由とする口実が2つに増えることにより、友人関係のみのトラブル時よりも処理が厄介で、時間もかかります。

1/13/2011

不登校のきっかけ(友人関係)

 友人関係に亀裂が入って居場所がなくなり、不登校になることが多いと思います。常に仲良しグループを形成している女子生徒にその傾向が強く、グループから疎外されて別のグループに助けを求めたり近づいたりするが、別のグループでも居場所がなくって欠席に至ることがあります。
女子生徒は友だちのある一部のみを見て盲目的に親近感を持つ傾向が強いため、対立する考えが表面化したりすると今までの信頼が嘘のようになくなったりするようです。

女子生徒への指導は、つかず離れずの状態で注意深く観察する必要があり、指導に入るタイミングを図るのが難しいことが多いと感じます。

私が扱った男子生徒は、中学2年の時にクラスメートと口喧嘩をし、そのまま卒業するまで教室に入ることはありませんでした。お互いの非を認めさせてた上で、人間関係の改善を計ったのですが、私が思った以上に根が深かったために改善できませんでした。
不登校の生徒は小学校時代から相手の生徒に対して強い不快感を持っており、結局その時の口喧嘩はその不満が爆発した形で現れたようです。
朝迎えに行ったりして何度か教室には顔を見せたこともあったのですが、「先生、俺、教室は無理」というのが彼の回答でした。
性格的には温厚な性格で、どちらかと言えばクラスで目立つということはなかった生徒です。
彼が特異な不登校タイプだったのは、放課後必ず部活動には休まず参加していたこと。
私が顧問をしていた音楽部だったのですが、彼はホルンの担当でした。同パートに先輩がいないため、実質彼がパートリーダーだったのです。

当然のことながら、教室に入った時の彼の表情と部活動中の彼の表情は全くの別人!
部活動では間違いなく彼の居場所があり、自信を持って活動できる場所だったのだろうと思います。

部活動での意欲とか自信とかをクラスでの生活へ結びつけたかったのですが(勿論クラスメートたちも協力してくれました)、当時の私の指導力ではそれができなかったとしか言いようがありません。

中学校生活の半分が不登校だった彼ですが、単位制の高校に進学することができました。しかし、残念ながら彼の父親が脳内出血で倒れ、家庭の事情で退学したそうです。退学後に彼と一度会ったことがあったのですが、元気そうで不登校だった頃の弱々しさは感じられず、何より男臭くなって一家の大黒柱のような雰囲気を醸し出していたことを記憶しています。

1/11/2011

不登校について

 昔、学級担任をしていた時、不登校の生徒がクラスにいたことが何回かありますが、手を尽くして成功した試しはほとんどなしです。うまくいくのは、本当に初期の段階で気づき、本人が頑張ってくれた時ぐらいではなかったかと思います。

いろいろな症状の子供たちがいますが、過去に担任した不登校のタイプや他クラスの不登校のタイプは大まかに分けると下記の通りです。(明確に分けるのは困難です。複雑に絡みあって症状が悪化することが多いのです。分類は初期段階でのもの)


  1. 友人関係が上手くいかない
  2. 教師への不信感
  3. 親への反発
  4. いじめ
  5. 怠学(非行との結びつき)
  6. 鬱病
上記の大まかな分類が単一で不登校に陥ってしまうことは少ないかもしれません。初期の段階では一つの理由からその傾向が出現しますが、時間が経過するにつれて他の要素も複雑にからみ合ってきます。

友人関係
もっとも多いのは友人関係が発端となる場合だと思います。特に中学生の女子生徒は盲目的に友人をすぐに信頼してしまうことが多いため、グループから疎外されたりすると自分の存在場所が無くなってしまい、休みがちになります。

教師への不信感
教師の指導方法に配慮が欠如していたことがきっかけになったり、友人関係のトラブルの仲裁に入った教師のやり方に不満があったりして不信感が募り、不登校となります。

親への反発
小学校時代にはほとんど反発がなかったが、思春期を迎えて今までの親の躾の仕方への不満が爆発し、親を困らせるために不登校〜怠学傾向になったりすることがあります。

いじめ
この場合には自己防衛手段としての明確な意志のある不登校になると思います。

怠学
甘やかしが原因であったり、親子関係の亀裂が原因で家出を繰り返し、非行との結びつきがつよくなります。

鬱病
不登校に至る明確な理由がありません。「小学校に比べて中学校は暗い、冷たい」など漠然とした理由から不登校となります。

不登校傾向となるきっかけはおそらく上記の中の一つになると思いますが、時間を経過するに連れて他の要素も複雑に絡み合ってくることが多くなります。冒頭で初期の段階でしか上手くいったことがないと述べたのは、時間の経過が問題を複雑にしていくからなのです。

次回は大まかな原因として挙げた6つについて経験談を書きたいと思います。