6/28/2013

同じ管理職、でも企業と学校は違うよ!

「橋下市長“目玉改革”に暗雲? 民間公募校長3カ月で退職 退職理由「言えない」」:イザ! http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/664765/

38歳の若さで外資系証券会社から校長に採用された千葉さんが3ヶ月で退職。
具体的な退職理由はまだ言えないということで、憶測でのコメントになりますが・・・。

【同じ管理職でも学校と企業は全く違う】
企業の管理職なら机上のパソコンを眺めて数字を追いかけていればその先の対策やら指示やら方針が見えてくるだろう。しかし学校の管理職は校長室にいるだけでは何も見えてこない。
自ら学校を巡視したり、子どもたちにとけ込んで様々な情報を収集を行わない限り、現状の問題すら把握できない。

企業の利益追求の管理職感覚では対応できない職務である。

中にはよほど教育熱心で、自分が理想とする教育像とか確固たる教育観を持っていて、その目標達成努力が学校現場管理に合致する場合もあるだろう。

しかし、自分が児童生徒としての経験しかない人間で、民間企業では評価が高かったとしても、それは学校を管理する能力とは全く別もので使い物にならない可能性が高い。

【学校を生かすも殺すも教諭が鍵】
 小学校の場合、各クラス担任は朝と夕方しか職員室にいない。
校長が自分の意見を伝えられるのは、短時間の打ち合わせか職員会議等のみ。
その与えられた短時間で職員に自分の意志を伝え、目標達成のために教師たちの行動を変革しなければならないのである。
 つまり校長は職員の指導力を知るために全クラスを訪問し、どんな授業をしているか把握する必要があり、それを怠ったとしたら何も把握できない。

 教師たちは子どもたちよりも我がままである。校長と面談している時は話を聞いている振りをしても、いざ授業にいけば校長の話などすでに忘れているし、子どもたちと楽しくやれればその他はどうでもいいと思っている。

そんな教師たちを引っ張るのであれば、教師たちの力量を上回るだけの何かを持っていない限り、校長のみ校内で孤立するだけとなってしまうだろう。

 教師たちをうならせるだけの何かを、この38歳の外資系証券マンであった千葉さんは持ち合わせていたのだろうか?

【保護者との人間関係】
 これを良好なものにする事は不可能だったろう。
例えは悪いが、校長は社長、教師は社員、生徒は顧客、保護者は株主。
すでに社員と顧客、株主の関係が出来上がっていれば、新任社長の品定めしかないのである。社員が持つ社長の評価や評判がそのまま株主に通じる事になり、時を要する事なく社長交代劇、追い出し劇が始まる。

逆に質が低く問題が多発しているような学校であれば、校長は評価を短期間であげることができるとも言える。

問題が起きたとき、38才の若造の言う事を保護者たちが「はい」と素直にきくだろうか?
結果的に校長がやり込められて迎合してしまうことになるのではないか?

民間企業なら金で解決できるしできた。最悪の場合裁判を起こせばいい。
しかし学校現場でそれは不可能であるし、ご法度でもある。

【子どもたちをどれだけ把握できたか】
 新任校長が子どもたちの事を把握しようとどれだけ子どもたちの中に入って行けたか?
民間公募校長にとってはこの点が最も重要(民間でなくても重要)。

校長にとっては子どもたちからの有益な情報が教師を指導し、学校を経営するための肝なのだ。また場合によっては現在の教諭に不満を持つ保護者から貴重な情報を得ることもある。

子どもたちはこの校長先生をどう思っていたのだろう?心をひらいて気軽に話せるだけの存在と思っていただろうか?
もしそう思っていたとしたら、この千葉さんは退職することはなかったと思うが・・・。


 これだけ色々書いておいて、では管理職は現職の教員しかできないのか?と思うかもしれないが、それはそれで能なし教頭が多くで辟易している。

 学校という所は、本当に力のある教員は管理職にならないのです、否なりたくないのです。それはいつまでも子供たちを関わりを持っていることが楽しくて仕方がないから。
だからごく一部の有能な教員以外は、現場で使いものにならない人間が管理職なるのです、それが現場(生徒と教師)への害が最も少なくなるのです。

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