9/15/2012

楽な職務じゃないよ、校長


校長公募に1282人、橋下市長「すごい人数」


http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120914-OYT8T00472.htm

年齢層は30代〜60代で学習塾経営者、電機メーカー役員、学校法人関係者、現職の市立校教頭もいたそうだ(しかも教頭は360人)

教育職に一度は就いてみたいと考えた人は結構多いのかもしれない。
塾経営者は学習指導のノウハウを活かしたいだろうし、会社役員は組織として学校を機能させたいと思っているだろう。学校法人関係者と現職教頭は学校の内部事情も知っています。
教職しか知らない人間が校長になるよりは、新鮮味があって少しはいいかもしれないですね。

でも校長職、本気でやるならこれほど辛い職務はないですよ。
校長とは、校長室の椅子に座って職員に指示するだけの仕事ではないのです。

田舎ののんびりとした学校なら学習指導を重点項目にして、様々な新しい取り組みができるだろうし、子供たちと触れ合って毎日が絶対に楽しいはず。

でも、都市部の学校はそうは問屋が卸しません。
様々な価値観を有した保護者がいるし、職員も数が多く組織としてまとまりにくい。おそらく小学校においては子供たちよりも職員の方が世話が焼けるだろうと思います。まず職員の我儘、だらしなさに閉口するでしょう。
校長が専制君主的に指導を強化すれば、校長に対する嫌がらせとして、校内で問題が起きた場合に最終的に彼らは校長に丸投げするかもしれません。←絶対にやりますよ、これ!「じゃ、校長先生がやってください」とか言って・・・。

例えば某いじめで有名になった荒れた中学校に赴任した場合、採用された校長は毅然とした態度で保護者、生徒らに接し、校長としての職務を十分果たすことができるのでしょうか?甚だ疑問です。
校長の裁量とか権限を強くしたとしてもそれは対職員の話だろうし、常識が通じない保護者には馬の耳に念仏状態です。

彼ら公募者の最大のネックは十分すぎるほどの生徒指導の経験が全くないことであり、それが最も心配です。これは現職教頭でも同じ(力のある教頭ならこれに公募したりせずとも、黙っていても校長に昇任できる)
校長として必要なのは、それまで培い、増やしてきた引き出しの多さと中身の充実さであるし、くぐり抜けてきた修羅場の数でもあると思うのです。

以前、公募して採用された校長先生が自殺されたことがあります。
そうなる大人がでないことを祈ります。

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