11/29/2010

学校教育の現場ーいじめ2

いじめではないか?と思われる状況が確認できた場合には、次は検証しなければならない。

中学校の場合、まず学年会でその子がどのような状況にあるのか各教科担任への確認作業を行う。ただし、前回記載した通り気がつかない人間は全く気がつかないので、簡単な確認となってしまうことがほとんどである。

最も確実な方法は学校生活面のアンケート調査などと題して筆記調査を行い、その項目の一つにクラスのいじめの状況について質問すれば必ずと言っていいほど回答が得られる。いじめを行っている生徒がクラス全体に影響を及ぼすような場合を除き、中学3年生になっても実態については記載してくれる。
また、クラスのまとめ役となっている委員長、副委員長や間違いなくいじめに無関係で冷静に状況を把握している生徒から情報を収集する。

ここまで来れば実態はかなり明らかになってくる。いじめられていると思っていた子が、力の連鎖で別の子をいじめていたり、いじめられているばかりではなくかなり報復していたり(この場合やられた時だけ被害者を強調するのでいじめとは別だと思うのだが・・・)。

マスコミの報道では学校関係者からの謝罪報道がメインになっているが、クラスメイトはほぼすべて把握していると思っていい。いじめの当事者は何も言わないだろうが、その他の生徒はいじめの事実を目の当たりにしている。

いじめの実態をある程度把握出来れば後は実際にどのように指導していくか、ということになる。
過日自殺した小学6年生の女子生徒の場合は、本人がいじめを訴え、その後に保護者まで学校に訴えている。転入生であったし、担任も周囲の生徒と馴染めるかどうか重点的に観察しなければならないし、担任以外の生徒も自ずとその子の動向を観察するのが普通である。おそらく学年会でも話題にはなるはずである。

保護者が学校に訴えに来るほどであれば、必ず学年会で話し合われたし、校長教頭の耳にも入ったであろうし、学級担任も何らかの指導はしたはずである。

それでもなぜ自殺まで彼女を追い詰めなければならなかったのか?

それは前回記載した最後に書いたことが原因だと思う。
担任教師が<最大で最後のチャンス>を指導に生かすことができなかったから、つまりすでにクラスの生徒から「指導力のない教師」とレッテルを貼られていたからである。

子ども達は冷静に判断し、教師にSOSを送っている。しかも期待を込めながら信号を発している。でも大人がそれに十分応えてあげることができなかったら、一生懸命さが伝わらなかったら、他の教師に助けを求めるか、あるいはもう諦めるしかないのである。

此処から先は皆さんがマスコミで知る通りの状況となります。

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