11/29/2010

学校教育の現場ーいじめ(質問への回答です)

ツイッターの友達から感想および質問があったので下記に掲載します。


「いじめられっこマインドを持つ人間としては、w やはり大抵のいじめられっこ達は「チクんなよ」などと脅されたり、 教師や親たちが大きく騒ぎ立てて、その結果迷惑をかけたり、目立ったりするのが嫌で相談するのを遠慮し、自分から進んで隠そうとする傾向があると思います(そうした結果悪化しないとも限りませんし)、 そのような時にいかに穏便に対応するものなのですか。」


これを読んで納得、というかいじめられている子にとってはまさにその通りだと感じましたね。
いじめられている子にとって最も嫌なことは「チクッたことによってさらにいじめが悪化すること」、「そして周囲が騒ぎ立てること」だと思います。


あくまで私が実践してきたやり方ですが・・・
  • クラスを担任した時点で保護者および生徒たちにやってはならないことを公言します。もちろんいじめに関してばかりではなく、特に「人としてやってはならないこと」を学級活動や保護者会、学級通信で徹底的に周知させます。
新入生を担任した時は最も効果的な方法であり、この「やってはならないこと」は絶対にぶれてはならない。教師の考えが気分で変わったり、子供に左右されてはならないのです。
保護者に対しても同じことを告げるのですが、親というのは勝手なもので、子どもが被害者になると大騒ぎをしますが、加害者になると「それはふざけていただけです」と子供の一方的な弁護に回ります。この辺りの意識をまず変える必要があるわけです。
この線引きがなされているかどうかが基本的な分岐点と言えます。

では、すでにいじめがひどい状況になっていて、表面的な指導をしてしまうとさらに悪化すると予想される場合はどうするか?
たとえば、1年からではなく2年や3年から持たされた場合・・・・・

基本は全く同じです。ただし最初は表立った行動は控えて徹底的に情報収集に努めることが必要であり、確証をもって指導に当たらなければなりません。換言すれば、いじめに関しての逃げ道をすべて塞ぐわけです。
子供というのは最も知られたくない部分の核心を突かれると「誰が言ったの?」と聞いてきます。この時点でほぼそれが事実と確定することが多いのです。

たとえば、
先生「◯◯くんをいじめているという話だけど?」
生徒「誰が言ったんですか?」
と情報源を聞き出そうとします。

この時点ですでに確定です。誰がチクッたのかを知りたがるわけです。やっていない子は「僕はやっていません!」と行為を否定します。

この後の指導ですが、いじめを行っている子ども達もそれぞれ抱え込んでいるものが違うのです。ほとんどの場合家庭的なことが不満となり、それが学校において「いじめる」という行為になって現れます。
最も大きな要因は「不満」となります。家庭内で自分の意見を聞いてもらうことがなく、一方的に抑えこまれている場合が多く、それは両親であったり兄姉であったりします。暴力で抑えつけられたり、言葉で抑えつけられたり・・・・・。
その不満が募って友達に対して同じような行為に及ぶことが多いようです。

いじめを無くすためには、いじめている子の根本的な不満を解消してやらない限り、解消は難しいし、時間もかかるのです。家庭教育のツケが爆発した形で子ども達の行動となって現れているわけですから、ものすごく傷が深いのです。

いじめを解消するには、いじめている子の親と懇談して家庭内における不満を解消しなければなりません。保護者にとっては、最も他人から触れてほしくない部分に学校の先生が触れてくるのです。当然認めたくもないし、触れて欲しくもないから徹底抗戦してきますし、絶対に認めないわけです。
もしも家庭的な問題が解消されたとしたら、その子どもは見違えるように人が変わります。

ちょっと質問の回答からそれましたが、いじめへの対処を穏便にするかどうか(穏便とは外に対して穏便にするのではなく、いじめられている子に配慮して表面化させるべきかどうかという意味)は常にケースバイケースとなります。

最後に、担任が同じなのに途中からいじめがひどくなった場合、担任が余程強い意志をもっていじめに取り組むか、または担任を替えてもらうか(実質不可能)、登校を拒否するか、転校するか、いずれかの方法になります。基本的にいじめが進行するまで放置していた、気付かなかった、あるいは解消できなかった担任なので劇的にクラスが変わることはないと思います。

随分立派なことを書いて、さも順風満帆な印象を受けるかもしれませんが、初任の時には保護者から不登校への対応でつるし上げを食らったり、先輩の先生に怒鳴られ続けていました。
決して優等生ではなかったですね!でも唯一の自慢は、他人を観察することが大変得意だったことですかね!

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