1/30/2014

フィンランドの教育改革

別ブログに掲載したものを転載します。
この改革、見習うべき点ばかりであり、実践も容易だと思います。

フィンランドの教育~教育の機会均等

☆要点書き起こし
・ヘイノネン氏(元教育大臣)
教育で大切なのは機会の均等、その基盤があって世界の頂点に立てる高い水準の人材育成ができる。
教育はいわば「投資」である。
フィンランドは一部の人間だけ良い教育をすればいいとは考えていない。国民全員の教育レベルの向上が必要。教育こそが組織、企業、国全体の競争力を上げる方法。
人口520万人の国、ひとりとりの学力を上げなければならない。
人という資本に投資が必要だった。

・教育現場に大きな裁量権を持たせる。
・内容や教え方を教師に任せた。

・指導要領はあるが項目が大幅に減った。
・教科書の検定もない。

・学校ごとに独自のカリキュラムを作成

・大幅な権限の移譲
・地方自治体と学校の裁量でほとんどのことが決めることができるようになった

教師の責任が大きくなった
教師が意欲的になった

《校長》
学校に指図する権威は存在しない
自分たちでカリキュラムを作ることができ、人事権もあり適材適所に教員を配置することができる
フィンランドの教育の強みは教育現場が大きな自治権を持っていること

・ヘイノネン氏(元教育大臣)
教育の基礎ができており、中央政府がこれ以上コントロールする必要はないと感じた
教育関係者が持つ能力をもっと取り入れたいと思った
彼らこそが現場を知り抜いている専門家、プロ
システムに柔軟性をもたせる(地域により状況が大きく異なるから)
管理は現場の長所を活かせなくなる
教師や教育関係者の指導レベルを上げるため国の要求を削減し、核となる部分だけに限定した
教育には自由が欠かせない
それぞれの現場に任せるべき、阻害してはならない
意欲、モチベーションが最も重要、厳しい管理はモチベーションを下げる
教室で起こることに責任があるのは教師

《教育学部》
教師の社会的地位が高い
志願者の10%しか入学できない
教師になるには最低5年学び、修士号を習得

入学後、1年生時から教育実習を行う
教師に向いていなければ転部を勧められることもある
社会的ネットワークを築く能力が求められる
すべての教師は年1回の研修に参加
クラブは別の専門家が担当
授業に専念する
懇談会が頻繁にあり、率直な意見交換が行われる

各学校の自己評価が法律で定められている
自己評価の結果は保護者の求めに応じて公開される
教師は自由な代わりに保護者や子どもたちに対して大きな責任を負っている

・ヘイノネン氏(元教育大臣)
教育制度というものは急転換して無理やり法案を通すようなことはできない
関係者を巻き込む必要がある、彼ら自身が動き始めなければならない
教育改革とは例えるなら船
教師と連携なしに改革できない
全国各地で教育政策を議論することが大事、共通認識が大切

国内のどんな地域に住んでいても全く変わらない教育を平等に受けることができる
国内のすべての学校にコンピュータを配置
使うことを学ぶために設置したのではなく教科での活用、情報を読み解く力をつけるため

現代は未来がどうなるかわからない世界
自分で自分を導かなければならない
自ら学ぶ力が大切
他者と協力、他国とコミュニケーションを取る力が必要
学校で学ぶあらゆる事柄コンピュータを活用できるように政策を推し進めた
情報を読み解く力=リテラシー すべての基本が読解力

図書館の存在
ヘルシンキは56万人、図書館が38ある、日本の4倍
国民の77%が1時間以上/日 読書
図書館利用率も世界一
学校と図書館の連携

なぜ本が好きなのか、読むのか?
自分自身を教育することで人生をより豊かにすることができると思っている
至る所に図書館があり気軽に利用、習慣になっており、伝統でもある
新聞文化が教育と密接に結びついている

給食無料、大学まで授業料無料、筆記用具も無料

すべての子どもに平等な教育と食事が約束されている

移住してきた子どもたちには補助学習指導員がつく
病欠、ついていけなくなった子には補習授業が行われる

他人と比べるのではなく一人一人のペースで学べるようなシステム

教育の機会の平等がなければ教育の質の向上は不可能だと考えている
教育の機会の平等はすべての前提
どこにすんでいような同じ機会が与えられる
人はそれぞれ違う、様々なアプローチの仕方を考慮すべき
だれでもついていけるようにシステムに柔軟性が必要
子どもを育てるには村が必要、社会全体で教育制度を支えている

人々が互いが思いやる社会をどうやって築くか
人はそれぞれ違う事を理解、自分と異なる人を受け入れ、コミュニケーションをとる。それが自分の強みなると気づくべき
他人を理解するには自分を知らなければならない。自分に価値があるということを知らなければならない。
どうやって自分を知り他者の価値を知り、自己中心的な人間にならないようにするか、これが福祉国家のベースになる

フィンランドの教育の次の目標
・教育制度や教育政策というものは決して完成することはない
・それぞれの時代社会情勢、文化に応じて決断を下さなければならない
・変化のスピードがあまりにも早すぎて多くの人が精神的にまいっている
・変化と選択肢の多さが問題
・次世代の大人になる力が弱まっている
・自分たちの大切で貴重な価値観を次世代に承継
・しっかりと自分たちの時代を築くこと、次世代にチャンスを与えること
・洞察力が失われつつある
・これからはあえてペースを落としより深く考える必要がある
・頭で考え心で感じたことを信じること
・子どもたちの創造性を引き出しモチベーションを高め内なる洞察力を彼らが手にすることができれば、私たちには幸せな未来が待っている

私たちは学校のためではなく人生のために学ぶ



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